【社長向け】1分コラム
【社長向け】1分コラム
作成日:2021/04/01
「痛みが人を成長させる。」



「痛みが人を成長させる。」

この春、長男が高校に合格しました。本当に全く勉強する姿を見せず、読書(ファンタ―ジーとSFのみ)とゲーム三昧。試験日前の日曜日、アピタのゲーセンに一日中行ってました。私と妻は、「本人の人生だ。就職でもしょうがないね。」と覚悟していました。

「ハンカチ持った、宿題やった。」「歯を磨いて。」あれやこれやと、妻が長男の世話を焼いてきました。子供がつまずかぬ様、転ばぬように。ついつい手と口が出てしまう気持ちはよく分かります。

人は体が「傷つく」と、出血を少なくするために血管を収縮させ、「炎症反応」が始まり、怪我を治し、身体を修復してゆきます。指を切ったらその周辺は赤く熱を持ち、転んでヒザを擦りむいたらジュクジュク体液が染み出し痛み続けるでしょう。これが「炎症反応」です。この「炎症反応」が体の免疫システムのスイッチを入れ、身体の修復・強化を進めると考えられています。このように「ストレス」が身体や精神に少しのダメージを与える事によって、身体、精神を修復・強化する事象が知られています。この生命機構を「ホルミシス」といいます。


ワークライフバランス、同一労働同一賃金、有給5日義務化。セクハラ、パワハラ防止。一見、労働者を守り労働者の為になりそうな言葉、正しそうに見えます。

でもここまで、労働者って守られなければならない、か弱い存在だったのでしょうか。


卵かニワトリか。法によってストレスから隔離され、守られた労働者は、どんどん虚弱体質になり、日本の労働者の仕事に対する意欲は、世界139か国中132位と最下位クラス。(出典:米ギャロップ社「社員のエンゲージメント調査」)意欲ある社員はわずか6%。就業者一人当たり労働生産性は81,183ドル(824万円)、OECD加盟37カ国中26位。先進7か国では最下位。


「同一労働同一賃金」といっても、求人職種の職務遂行能力を持たない人達が応募し、入社してからOJTOFF-JTでお給料をもらいながら、勉強させてもらい仕事を覚えてゆく。これが日本の労働実態です。「痛み、ストレス」を減らしていった結果、身体も心もひ弱になってしまったように見えてしまいます。

ストレスや痛みは決して悪い事だけではありません。どんなにネガティブな体験であっても成長の糧にできる事が、人間の生命に組み込まれた柔軟さ、すばらしさであることを私は信じています。


私と妻は、先日約束しました。長男の高校生活では、つまずいても、転んでも。できるだけ手を出さない、「ホルミシス」が働くであろうと信じて。

17世紀の英国の詩人ロバート・へリックはこう言っています。「痛み無くして得るものは無い。」

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