【社長向け】1分コラム
【社長向け】1分コラム
作成日:2018/01/01
「上司なし、指示命令無し、働き方自由。」の組織、「ホラクラシー」



「上司なし、指示命令無し、働き方自由。」の組織、「ホラクラシー」。

「これだ!!!これが私の求める組織形態!」初めて日経新聞の記事を見たときに思いました。常々「幸せに働く方法」は、「自立と自律」がキーになるとお伝えしてきました。。そして「ホラクラシー」という組織の働き方は「自立と自律」がまさに基本となります。

 

海外では、靴や洋服のオンラインストア「ザッポス」、日本では不動産会社「ダイヤモンドメディア株式会社」などが採用していることが話題になっています。果たして、どんなものでしょうか。おおざっぱに3つの特徴を持っているといえます。

 

1. 従業員の上下関係がない。役職がない。

2. 従業員を管理しない。自分で仕事を決める。

3. 自由度が高い。(働く時間、場所、休日は自分で決める。)

 

 

働き方改革法案、ワークライフバランス、従業員の健康管理、健康経営、人手不足倒産、70歳までの継続雇用、雇用リスク増大・・・。現在、「人事労務」が企業経営において重要課題であることは間違いないでしょう。特に「組織デザイン」は企業の存続に大きな影響を与えます。

労働力人口が大幅に減少する2040年以降も会社を存続させたい経営者であれば、下記の4つのオプションを必ず検討することを迫られるからです。

 

1. 労働者に代わる代替え資源の採用(AIRPAなどに業務移行)

2. 労働力不要の業態への変更(労働集約型から知識集約型など)

3. 雇用以外の労働力受給方法(委託、フリーランスとのプロジェクト、BPOなど)

4. 労働力削減や労働力依存から脱却するためのパラダイムシフト(ルールチェンジ)

 

 1と2は現行ルール上の割と平凡な選択肢といえます。1はRPAAIを活用してロボットなどに仕事を移管してゆくこと。2は労働集約型の仕事を止めて、マンパワーがいらない仕事に転換することなどです。例えば、リアル店舗の小売業業を止めて、在庫出荷業務をBPOして、ネット販売専業に転換する事などです。前出の「ホラクラシー」という働き方は3番と4番の選択肢にあたると考えられます。雇用という既存のルールや慣習からは大きく異なる働き方をすることになります。各個人(労働者)がプロとして、コミットした役割業務を自律的に果たす働き方。出勤、休日、時間、やり方などは自分で決める働きかた。

現在の労働法制は対象療法としてパッチを重ねすぎてきたため、パッチを当てる度に新たなほころびや更に大きな裂け目が出現する状態となっている。「ホラクラシー」が万能であるとは思わない。しかし労働者保護の名目で小さな権利を与えて甘やかし、自立、自律できない労働者を作り出している労働政策は、労働者の自由を奪い、国の未来を危うくしていることは間違いない。労働者と経営者の思いの溝が大きく広がっている、広がり続けていることを毎日見続けているからです。毎月、経営者の会に参加しています。今年で8年目になります。上場企業から中小零細企業まで多くの経営者の方々とお会いし勉強を行っています。ほとんどの経営者の方は、「仕事を通じた社会貢献。自らが社会に対してどんな貢献をしていくことができるか。」が活動の源泉となっているように感じます。それに対して労働者は、場当り的な労働政策によって小さな権利を与えられます。小さな権利に安住することによってどんどん自由を奪われて行っている様に感じます。つまり「自分が会社や社会から何をしてもらえるのか」ばかりに目が行き「自分が会社や社会に何を貢献するのか。」という意識が希薄になっているのです。これはある意味、人生に対する選択決定を環境に委ねていることです。

「小さな一時の安全を買い取るために大切な自由を放棄する人間は、自由を受けるのに値しない。」と米国建国の父ベンジャミンフランクリンは言っています。

 

「ホラクラシー」では、役職も、上下関係も命令もありません。すべての労働者は、コミットした役割で自律的に貢献する。会社が管理することもありません。出退勤も労働者の自由です。つまり、自らコミットし、実行し、役割を果たし切る責任を持った働き方です。自ら学び、自ら行動し、自ら責任を負う。当たり前の自由な生き方が、本当のワークライフバランスの実現であると思います。そして「人生の自由」を得るためにはトレードオフがあること、大きな責任があることも知るべきことです。

「自由は山嶺の空気に似ている。どちらも弱い者にはたえることはできない。」芥川龍之介

自由には、責任に耐える強さが求められると言っています。

この責任ある自由な人生を生きることこそが、これからの働き方。いやこの姿勢で働くことができなければ、日本という国はなくなってしまうであろうと思います。

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