前月号では、中小企業の採用戦略について、
@ 優秀な人材ではなく、そこそこ「マイルドヤンキー」層を採用の中核として採用する
A 企業内で問題を起こす「不適格者」を採用しない。
中小企業は、この2点に絞った採用をすべきであることをお伝えしました。
早速マイルドヤンキーとは何者か?どうすればいいのかご質問をいただきましたので、今回は、会社の採用におけるマイルドヤンキーについてお伝えします。
マイルドヤンキーを馬鹿にしているわけではありません。確率的に、優秀で高い意欲を持った人間が、田舎の平凡な中小企業を選択する確率は非常に少ないこと。仮に優秀な人がいたとしてもそんな人は、自分で起業するか、上場企業を選ぶということをお伝えしました。 いずれにしても、上記で定義したマイルドヤンキー層は、地元経済消費活動中核でもあり、労働市場において最も供給数の多い層であるといわれています。困ったことに、日本の経営者は平均年齢が64歳。その経営者と全く価値観が違うということです。
「お金」や「地位」、「名誉」といった従来価値にそれほど魅力を感じず、モチベーションとならない層が多く含まれています。ですから、60代、70代の経営層が考える「お金」や「地位」、「名誉」がインセンティブとして機能しにくい。つまり、給料を上げてくれるより、週末に家族や、仲間と楽しく過ごすことに重きを置く来ます。そして仮に、あなたの会社で雇用していても、決して、あなたの会社で、この仕事がしたくて入社したわけではありません。「会社や、職種などは基本的にどこでもいいのです。」
経営者は絶対にそこを勘違いしてはいけません。彼らは、今働いている会社の隣に「もっと家族や仲間と楽しく過ごせる」会社があったら、そちらを選ぶことが普通である。経営者の価値観ではなく、彼らの物差しで労務戦略を立てておくべきなのです。
基本的には、そこそこの「お金、そこそこの家電、品物、仲間」があり満足をしているのです。まずは、2割のハイパフォーマーでなく、そこそこ普通に働いてくれる6割の中間層を定着させる。これが一番重要です。ヒントは、労働ではなく、労働以外の条件にあります。シンプルに言うと「休日を増やす、労働時間を減らす」ことがポイントとなってくるでしょう。とにかく辞めないことが一番大切です。募集、採用、教育、OJT。3か月でやめられてしまうと、おおよそ100万円をどぶに捨てるのと一緒です。次回は、会社でトラブルを起こさない、辞めない、マイルドヤンキーを採用する方法をお伝えします。