「パパ、一緒に釣りしよう。今晩、20時になると花火が上がるから一緒に見て」
小学3年の娘が、「娘の島」に招待してくれます。そこでの子どもたちの自由な発想に毎回驚かされます。
(Nintendo Switch:「集まれ動物の森」というゲームの中のお話しです)
55歳になった今、小さな子どもたちは、まるで孫であるように感じます。
年を重ねたことで、自身のこだわりやプライド、エゴなどの固定観念を少し手放すことができました。
そのおかげで子どもたちと余裕をもって接することができています。
年をとってからの子どもで良かったと心から感じています。
私たちの世界はすべて自分の物差しで作られています。
「思考=世界」。
私は「赤いメガネ」をかけて世界を見ています。
つまり、私には世界が「赤く」見え、「青いメガネ」をかけたあなたの世界は「青い」世界のはずです。
「会社は、こうあるべきだ」「このように行動するのが常識だ」
30代半ばまで、業界最大手の上場企業、社内ヒエラルキーの最上位部署、100時間超の残業など昭和サラリーマンを地で行く職業生活を過ごしてきました。
この体験が、より一層この私の「赤いメガネ」をかけた世界を強化してきたと思います。
この30年間で社会は大きく変わりました。バブル崩壊、リーマンショック、コロナショック。水害、大地震。
「いい製品を作れば、売れる」正解のある単純な時代から、
「いい製品を作っただけでは売れない」正解のない複雑な時代になったと言われています。
今年、当社では、社員が失踪し大きな問題を抱えました。
ようやく事態を収拾し、好転させる兆しが見えてきました。ここでも、気づき、学んだことがありました。
@ 変えられないもの(事柄)を受け入れる
A 正解がない中で、暫定的な正解を模索、実験する
B 違うものであっても許す、流すこと
起こってしまったこと(過去)は、変えることはできません。
どんなに相手の過失を責めても何も変えることはできません。
職員と私は、お客様の依頼を遂行する為に、将来に向かってできることだけに集中して仕事をする事を確認しました。
誰もが初めてのできごとに面食らいました。
あれが無い、これがわからないと不備を嘆いていても意味がありません。
職員全員が、何とかお客様にお応えするために、「模索し、試してみて、行動」。
暫定的な答えを探し、業務に邁進してくれました。
何も手がかりがないような事柄も多々ある中で本当に感謝しかありません。
そして最後は、「許す、流す」でした。どんな結果であっても、相手への怒りや失望を持ち続けないことです。
自分を解放するため、前に進むためにはこだわりを手放してしまう必要がありました。
どちらが正しくて、どちらが間違っているのか。そんな事にこだわり続けることは、何も産み出さないからです。
もし若いころに子どもを授かっていたなら、ずいぶん窮屈な子育てをしてしまっていただろうなと思います。
「ゲーム時間は一日2時間、宿題が先。8時になったら寝なさい」
など私の「赤いメガネ」でみた世界、「こうあるべき」を押し付けていたのではないと思います。
明日からも「赤いメガネ」をすこし外して“トライ&エラー。
正解のない世界で、社員と一緒に、探索と実験の仕事を楽しんで行きたいと考えています。