10月号で「複業の勧め」を書いたところ、ある会社の社長さんから「いくつも違う仕事を掛け持ちでやっているから、本業がおろそかになるんだ!」と苦言をいただきました。
11月中旬、朝一番に「先生、喉が痛いので、午後お休みをいただきたいのですが」と職員から言われました。
社員さんが、休みを取ることについては
@他職員に穴埋めしてもらうよう、自ら段取りを行う。
Aサービス提供が円滑に行える状態にする
を満たせるのであれば許可しています。
私は、社員が休むことについて「理由を問わない」と決めています。
正確に言うと私は「理由」を判断しないと決めています。
なぜなら、理由を聞くと、「私だったら、そんな事で休まない」「そんな理由で休むなんて。仕事をなんだと思っているのか」とエモーショナルな葛藤・批判が生まれるからです。
同僚が急用で遅刻のタイミングで? 余程大事な理由があるのだろうか? 喉で大病したことがあるのかも?
疑問符で一杯でした。しかし、「理由は問わない」と決めているので。
仕事の段取り、割り振りなどの調整を行い、円滑にサービスが提供できる状態にできるのであれば良いと思いました。
私たちは、それぞれが自らの労働に価値観を持っています。
「働く上で何を大切にしているのか」という労働価値は非常に大切です。
ピーター・ドラッカーは従業員を採用するなら「休日に一緒にいても苦痛でない人を雇いなさい」と言っています。
私も、できれば、価値観がずれた人とは働きたくはありません。
なぜなら、経営組織の方向性がズレやすくなり、向かうべき方向性を常に舵取りする必要性が生まれ、無駄なコストが生じてしまうからです。
しかし、同じ価値観を持つ人しか採用しないとしてしまうと、従業員を雇うことなどできなくなってしまいます。
ですから、「違う価値観」を「私の価値観」で判断しない。
「同意」できなくても何とか「理解」をするように努力しているのです。
なぜなら、戦争や諍い、いじめ、陰口など―過去に人間が犯してきた元凶は、自分の価値観で相手の価値観を判断、批判すること」だったからです。
私は「自分の仕事を通じて」、自分の大切にしている価値観をすべて満たそうと考えています。
自分の価値観を体現するためにリスクテイクして、起業しているのです。
そしてひとつの仕事だけでは満たされない価値観があれば、「自分の価値観を満たせる活動を自ら創ってしまえばいい」と考えています。
私が大切にしているものは、能力発揮、自律、創造性、冒険、貢献です。
「人生100年あるなら、やってみよう」。それが私の大切な価値観です。
2016年、歌手としては初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・デュランは「Do what you have to do. Then it will work.(やらなきゃいけないことをやるんだ。そうすればうまくいくさ)と言っています。
他人からの承認でなく、地位や名誉の為でもなく、夢中になって進むことがあることに感謝です。
そして、「社労士の仕事」は、私の大切な価値観「貢献」に、いまだ含まれていますのでご安心ください。