「でも、こういう理由があるので、顧問先の会社さんでの実施は難しいと思います」
「でも、顧問先の社長さんが面倒臭いことを嫌がるから、駄目だと思いますよ」
新しいアイデアを始める時に頻繁に聞く言葉です。
当社の入社5年目の職員、「先生、昨日出たアイディアの件、素案を作ったので見てください」。
次の日には何らかの素案を持ってきてくれます。
前任者に指示をして一年間かけても何もできなかった仕事を、3か月で素案を持ってきてくれたこともあります。
私は、社員を雇用して、仕事をお任せしています。
お任せした仕事でも「自分だったら、このタイミングでこうするのになあ」と感じてしまうことがあります。
でもそこはぐっと我慢して担当者の自律性を信じることにしています。
もちろん方向性や視点がずれている時は注意します。
日本の労働者の仕事に対する意欲は、世界139か国中132位と最下位クラスとなっています。
(出典:米ギャロップ社「社員のエンゲージメント調査」)
意欲ある社員はわずか6%。米国の32%と比しても大きく引けを取ります。
私自身、こういうネガティブな結果を見ると、人を雇用する身として本当に悩みます、そして残念に感じます。
しかし、今回のコロナのおかげで違う視点から見れるように変化しました。
「このコロナの中で、会社に来てくれるだけで立派じゃないか」
「わずか6%に該当する社員が、当社にいてくれる」ことに感謝。
意欲や能力はひとまず置いて、来てくれること自体に感謝なのではないでしょうか。
私たちの仕事は経済活動が続く限り止めることができません。
約800以上の手続き、特に給与計算など生活者の生命線ですから、停止、遅延をすることができません。
今回のコロナ感染症で、緊急事態となった場合には、当社はChatwork、ZOOMを使用してお客様と、お会いすることなくサービス提供を継続することを決定しました。
そしてほとんどすべてのお客様に賛同いただきました。
やはり「従業員とお客様の健康、生命を守るためのアクション」ということの重要性をご理解いただけた為であると思います。
この「ブラックスワン」のおかげで、毎日来てくれる社員の大切さ、柔軟な対応力を持ったお客様企業の力強さを感じることができました。
そして柔軟な変化対応を経験値として毎日、より良く変化して行こうと自分に言い聞かせています。
イギリスの科学者ダーウィンは「一番強いものが生き残るのではなく、変化できるものが生き残る」と「強者生存」ではなく「適者生存」を言っています。
私は、経営者としての最大の使命は、「会社つぶさないこと」であると思います。
会社を存続させるとは、ただ存続させることではなく、前日より良い会社になる必要があります。
進歩しない限りは、後退しているということです――ナイチンゲール