【社長向け】1分コラム
【社長向け】1分コラム
作成日:2020/06/01
見通しが不透明な中で




 「齋藤先生、最近の情勢はどうですか?」

 最近行く先々で経営者の方から質問を受けます。

 売上10億〜100億の小中規模、地元の名士と言われる会社が多いです。

 上場企業は、情報収集、分析、決定を3月末には行っていました。

 中小企業は、情報収集・分析等に劣り、地元企業は未だ迷走している感じがあります。

 話をお聞きすると、「どこまで、何をしていいのかわからない。教えて欲しい。他社はどんなことをしているのか。国が明確に指示してくれないと動きようがない」という内容が多く、正直言葉に詰まります。

 「それが、経営者の仕事でしょう」と心で思って、言えません。



 「自ら情報収集する、分析する、決定する」にコストを掛けられないのは致命的です。

 有事には、専門性の有無やリスク対応の遅れが明暗を分けると強く感じます。

 

新型コロナの影響下、全国的に

失業率は 【1月】2.1%⇒ 【3月】2.4%
求人倍率 【1月】2.1倍⇒ 【3月】1.6

 と増加しています。

 各企業の倒産、廃業、雇用調整が始まり、失業者が増加しつつあります。

失業率と求人倍率は経済の動向を示す、先行指標です。

 詳細は省きますが、当社の分析では6%程度まで失業率上昇→就業者の平均年収減少(100万円程度減少)→デフレ→倒産、廃業増加(倒産2万社弱、廃業5万社程度)などが数年続くことはかなり確度が高いと考えています。

 しかし県央地区の業種によっては、まだ経済失速を実感していない企業も多いように感じます。

 宿泊業、飲食業は3月末から、小売り(商業施設内等)、学習支援等は4月から。

 製造業は、5月から増加。

 製造業でも、一般の耐久消費財関連(車や家電製品など)は比較的早く、BtoBの長期プロジェクト製品などはまだといった具合で、業種、業態によって温度差が出てきています。

 しかし嬉しいことに顧問先の社長様から

 「融資申し込みをしました」

 「当座貸越枠を増額しました」

 「平時には考えなかった、1年から3年といったスパンでの固定費や売り上げ予測、資金繰りなどを真剣に考えるきっかけになった」

 という声を頂くようになってきました。


 私が役員をしている上場企業は、今期決算、大きな利益上振れとなる予定です。

 しかしまったく喜びはありません。

 数十億の利益上振れでも、手元流動性比率を大きく上げるために全力で動いています。

 なぜなら、経済先行きと未通しが不透明であるからです。

 「わからないから、やらない、他社がまだやっていないからやらない」は経営ではありません。

 わからないから、「最大限できる、リスク対策する」をして行きましょう。

 ハンドルの付いていないバスに、従業員を乗せて運転し続けるなんて考えただけで、ぞっとするじゃないですか。

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