年初から始まった、「新型コロナウイルス」問題。
各国の取り組みは様々ではありますが、移動制限、ロックダウン、非常事態宣言まで行う事態となっています。
私たちの日常生活においては、マスク不足と連日のマスコミ報道にも慣れ始めた頃ではないでしょうか。
しかし、日本はこれからが本番と気を引き締めなおし、事業継続について真剣に準備すべきだと思います。
当社では3月2日から、「新型コロナウイルス」に関する内容を複数回FAX等で情報提供させていただいています。
あえて重要な事項については同じ内容を数回FAXさせていただいています。
3月19日時点で、弊社がFAXで注意喚起させていただいた@新型コロナウイルスに対する社内方針(従業員の行動指針)、A取引先への自社の「新型コロナウイルスへの取り組みと依頼事項」を適切に作成、周知できている企業は少ないように感じます。
なぜ自社の方針を出さないのかお聞きすると「他社の状況を様子見してる」、「仲間の会社がまだやってないから」、「同業者の組合から指示が出ていないから」などの理由をお聞きします。
このような非常事態が予想される状態に対して、自社で経営判断をせずに、リスク対策しないことは、「最大のリスク」となると申し上げたいと思います。
情報収集や情報分析、判断は、それぞれの会社の能力によって大きく異なります。
当事務所が情報収集、分析した結果、2008年のリーマンショック以上に零細企業に与える影響は大きいことは間違いありません。
2008年から売り上げが半減する企業が多数出たため、それから数年間、雇用調整関係の業務を行いました。
しかし、下記の理由から前回以上のインパクトがあることは間違いないと判断しました。
@ ヨーロッパ、北米、アジア、アフリカまで全世界に感染症が拡大し、SCMが分断し、主要企業の生産停止、中止が相次いでいる。
A ヨーロッパでは、ロックダウンが行われている。北米でも都市封鎖、移動制限が実施
B 収束する時期が不明。
上記理由から、今から中小零細異業の経営者が行うべきことはひとつだけです。
最低1年間事業継続できる準備を全力で行う事です。
具体的には次の3つの行動をしていただきたいと思います。
最低一年というのは、考えられる収束までの出口戦略が最低一年以上かかるからです。
ワクチン開発、集団免疫ともに1年から2年かかると考えられています。
@ 1年間、売上が0となった場合でも事業存続できる資金調達を行う。(融資要件によって、無利子、無担保、保証料補填などがあります。経産省HPを確認ください)
A 従業員の雇用調整プランを策定しておく。(休業、一部解雇、全解雇などの時期とコスト試算をしておく)
B 移動制限が出されても、自分と家族が、3か月間暮らせる準備をしておく。(発令後では、混乱に拍車をかける事になる。事前に準備を行う事で混乱の緩和に貢献できます)
C 従業員、親戚、友人、ご近所さん等が困ったときに少しでも援助できるような準備をしておく。(こんな時こそ、自分達だけでなく、身近な人達に親切にする準備を!)
「新型コロナウイルス」は政令によって「指定感染症」に指定されました。
感染症の危険度などから5つに分類された中で、2番目に危険な第2類感染症という扱いになっています。
罹患患者や疑似症患者などに対して、「都道府県知事」が健康診断、就業制限、入院、消毒などを命令する権限を持つものです。
罹患した従業員に対して、会社ではなく都道府県知事が就業制限を出すものです。
つまり、確定患者や感染症が疑われる者、症状が出ている者に対しても都道府県知事が措置者となります。
従業員さんに「コロナの疑い」がある場合は、従業員さん自らが「帰国者・接触者相談センター」に相談・指示を仰がなければならないのです。
そしてセンターから、就業制限指示が出れば、否応なく会社は数週間、労働力を失います。
すでに会社がハンドリングできる範囲ではなくなっているということを認識することです。
最悪のシナリオでBCP策定、少なくとも上記3点の行動をすぐに行うようお勧めいたします。
起きなければ「あおばさんは、いつもオーバーだな」で済むことです。
しかし起こった場合は、会社倒産、全従業員失業、準備をしていない為にパニックや混乱に巻き込まれます。
こういう時こそ経営者がBCP策定をすることで、社会の安定にすこしでも貢献できるはずです。