【社長向け】1分コラム
【社長向け】1分コラム
作成日:2020/02/01
時間を盗まれない「iphone使用契約書」




 「唐揚げ定食」が月販一番商品。

 私が社外取締役をしているひとつ、A社の●●レストランは飲食激戦区、「銀座」にあります。

 世界各国の美味い料理が揃う銀座で、なぜ「唐揚げ定食」が稼ぎ頭メニューとなってるのでしょうか。

 それは、私達開発側が「つい食べたくなる」ように設計しているからです。

 美味しいことはもちろん、専門的には@食物依存性、A記憶強調を作り出すことを目的にメニュー開発をしています。

 「食物依存性」という言葉にギョッとされたのではないでしょうか。

 @は食品を食べると、幸福感、快楽感を感じさせ、さらに食べたくなることです。 

 高脂肪、高カロリー食品ほど依存性が高いことが知られています。
 
 例えば、チーズの「カゼイン」、小麦などの「グルテン」などが消化段階で、麻薬成分に近い物質「ドーパミン」に影響を与え脳内快感を引き起こすことが原因です。

 A依存性が高いだけではなく、選択肢のひとつとして思い出してもらう必要があります。

 品質や味が良くても思い出してもらわなければ、選択肢にならないからです。

 そこで大切なのは、記憶に残る突出した何か、又は食事と繋がる記憶(香、食感、味、価格、量、店のサービス、その他記憶に残るもの)を人に植え付けることです。

 これによって、自覚無しでも「なんとなく食べたくなる」消費行動をとらせるのです。

 私は、自分では「唐揚げ定食」を注文することはありません。家でも「唐揚げ」はあんまり好きではありません。

 食物依存性(中毒性)が高いとわかっている食物は口にしないようにしているからです。

 「仕組まれた消費行動」を、作っている側の人間は私と同じように考える人が多いです。



 先日、中学2年生の長男の誕生日にiphoneをプレゼントしました。

 200719日のサンフランシスコMacworld Conference & ExpoスティーブジョブスはiPhoneの発表で「今日、アップルは電話を再発明します」とプレゼンしました。

 私は約10年間、その便利さから? ずっとiphoneを使い続けています。

 中学2年生の長男と私達夫婦は、「iphone使用契約書」を誕生日に結びました。

 iphoneの使用方法について細かく取り決めをしたものです。

 一日に使用できる時間、時間帯、をアプリ毎に取り決めをするものです。

 使用できる時間契約を破った場合は問題が解決するまで使用できなくなる約束です。

 妻と私でiphone使用について、結論付けたことは、@「時間制限」、A「SNSは原則禁止」の2つです。

 妻と私で話し合う中で、普段気にしていない自分たちのスマホに対する行動を棚卸してみたのです。

 スクリーンタイムによると、今朝503分に最初にiphoneを持ち上げ、一日合計72回持上げ。

 一日平均2時間56分スマホを見ている。

 一週間で21時間、一年で1,070時間、年間44日間分の時間を私から奪っていたのです!!!

 この数字を知ったら怖くなってしまいました。

 この10年間、最新のデジタルガジェットを使って生産性を上げても、なぜか毎日の読書時間は増えず、家族との時間は増えず、雑務が増えているのかようやく理解できました。

 私たちはスマホ(デジタル機器等)から時間を奪われるように仕向けられています。

 私の知り合いの税理士さんは、一日3、4回ほぼ毎日のようにのSNSfacebookに投稿しています。

 最初は商売の為に始めたとのこと。

 自分の投稿に数百人の「いいね」がついた時の幸福感が忘れられず、一日時間も費やし、やめられなくなっていると聞きました。

 私たちは、自分が依存状態になっている事すら気づかずに時間を盗まれている、と言えるのではないでしょうか。

 息子の一件以降、私は、自宅では携帯電話を2階の自分の書斎に置き全く見ないようにしています。

 携帯電話は、私の発信用としてしか使いません。

 両親、家族、友人3人以外は着信しても、通知されない設定としています。

 お客様との打ち合わせ、会議、出張時などでは電源を切って「時間を盗まれない」ようにしています。

 もちろん、SNS等のメッセージやFacebookなどは全く見ません。

 もちろん、何の問題もなく、時間を毎日快適に過ごしております。

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