「アレクサ、テレビつけて」
「アレクサ、今日の天気教えて」
一年半程前から、我が家では、「アレクサ」という掛け声が飛び交っていました。
食事中に、アレクサに「歌を歌わせたり」、「なぞなぞ」を出させたり、「しりとり」まで始めていました。
アレクサは、Amazonが開発したAIアシスタントです。
家中のスマート家電と接続すると、「アレクサ」に話しかけるだけで照明、TV、エアコンを操作し、買い物までできる便利なはずのものでした。
生産性を向上させるためには、@新しい情報を入手して、A新しいやり方を試してみる B陳腐化したものを捨ててゆく。この3つが重要であると考えています。
その中で真に生産性を向上させるものと、そうでないもの。
時間の経過によって反生産性が強くなっていく物がわかってきます。
情報の入手に関してはかなりお金を使っていいと思います。
私の2018年の年間図書購入費は約40万円でした。定期購読が3誌、新聞2紙、月に約10冊の参考図書、Kindle版図書購入費用、Audible費用です。
また情報のポータルとして船井総研さんと約8年前から月20万円で契約しています。
経営コンサルというより、情報収集のポータルサイトとして活用させていただいています。
また情報の真贋や活用方法についても、質問すれば調べてくれます。
以前はよく船井総研さんをお勧めしておりました。
しかし船井総研さんが数字至上主義に陥ってきており、反生産性が高まってきています。
最近は他のコンサル会社ともやり取りをさせていただき、選択肢を増やしています。
新しいやり方としては、オフコン全盛の2000年にPCを導入。
クラウドという言葉もなく、SaaS(Software as a Service)という概念が出始めた2010年頃に、クラウド型システムを導入。
場所や時間に関係なく、効率的に仕事ができるようにしました。
その一方、捨ててきたものも沢山あります。その代表としては@メール、A電話です。
まずはメール。1992年に専用回線で「パソコン通信」として使いました。
当時勤務していた日立製作所では、情報伝達方法として社内便という国内300事業所、海外600事業所間のやり取りの為だけの巨大な社内郵便制度を持っていました。
これに対して「メール」は、文章を打ち込んで、送信するだけ。奇跡のツールでした。
今はどうか? 私は、「メール」をほとんど使いません。
当時の奇跡のツールが今は「時間くい虫、時間泥棒」に変わってしまったからです。
迷惑メールはもちろん、最も面倒なのは毎日送られてくる、数百通のお知らせや情報です。
多くのものは不要なもの、それを判断するだけで膨大な量のメールに目を通さなければならない。
奪われる時間コストだけで、反生産性が高くなってしまったのです。フィルターをかけ、必要な特定のメール以外はすべて削除します。
「電話」も同じく「時間泥棒」です。
情報量も少なく、情報品質が低く整理されておらず、仕事を中断させ、仕事の効率、品質を大きく損なわせます。(もちろん有用な部分もあります)。
重要な仕事に向かう時は、電話を持たないようにしています。
それは、その瞬間に目の前にいらっしゃる、お客様の貴重な時間と私の時間を奪わせないためです。
社外取締役をしている2社の経営会議、役員会などの緊急の仕事はチャットワークを使っています。
メンバーは上場企業の役員さん、現場の執行役員などで忙しくしている方です。
別の場所で仕事をしていますから、月に一回会うだけです。
情報の同時共有性、タスク管理機能などから、電話、メールより便利な事が多いです。
このように、「反生産性」の観点から見直してみる事が大切です。
私は、船井総研のコンサルタントからこういった新しいツールやトレンド教えていただき活用するようにしています。
残念ながら、彼ら「経営コンサルタント」は正直言って、経営については無知かもしれません。(もちろんそんな失礼な事は言いません)。
経営したことが無い訳ですから、「経営の機微はわからなくて当然」と割り切っています。
しかし、彼らは最新のツール、様々な事例情報を持っているので価値があります。
また経営の傍観者? 立場でマクロな視点で物事を整理したりしてくれる所もありがたい存在です。
今のところは、マンパワー資源の無い私の為に、HP更新、資料作成、アポイントメントなどをしてくれる外部リソースとして高い価値があると判断しています。
零細事業者こそ船井総研さんのようなコンサルタントとお付き合いすべきだと思っています。
しかし、最近なんでも外部委託でお金を掛けさせるようになってきているのは困った傾向ではあります。
とにかく現状がベストであると思いこまないこと、情報を入手して、自分の頭で考えることです。
人間は変化したくない生き物です。
変わった方が良いと感じたら、「できない理由を探して、変わらないという選択」を自ら行わない。
残念ながらアレクサは便利な時間ドロボウでした。
現在我が家では、5台あったAmazon Echoはエンターテイメント用に1台を残し、残りは押し入れです。
そして我が家の食卓では、子供たちと「アレクサの音楽、歌、なぞなぞ、しりとり」だけが続いています。