「ライフシフト100年時代の人生戦略」―リンダ・グラットン著 を読まれた方も多いかと思います。
この200年間人類の平均寿命は伸びつづけているという予測から
・2107年には主要な先進国では半数以上が100歳よりも長生きする世界となる
・人生がより長く、より健康になる。
・人生100年時代には、学生時代(学習)・職業時代・老後(引退)という3つのライフステージだけでは過ごせなくなる
と書かれています。
学生時代に身に着けた知識やスキルは、長い職業生活の途中で陳腐化してしまう。
そのため職業生活途中に、大学への再入学などして学び直し、リカレント教育を行うことが必須となる時代になるとのことです。
しかし、本当にそうなのでしょうか。そもそも、学生時代に学んだ知識やスキル定年が80歳になることで、陳腐化するのでしょうか?
私はそうは思いません。そもそも就職し、与えられた仕事をする中で常に学び直し、能力開発をしてきているということを感じている方は多いのではないでしょうか。
私は、上司から「仕事の“報酬”は“仕事”だ」と教えられました。
今振り返ると本当にその通りだと思います。
就職して仕事を与えられた時、どうやったら良い結果が出せるか、どうしたら上司に認めてもらえるかを考えて仕事をするでしょう。
そして、上司に認められる良い仕事をすれば、上司からの信頼が生まれます。
信頼が高まると、もっと重要な仕事を任されるようになります。
その過程で自分に不足している知識を学び、能力を磨く努力をし続けてきたはずです。
つまり、きちんと仕事の“報酬”を受けている人は退職して、大学や大学院に再入学するなど大げさなリカレント教育など必要はないのではないかと思います。
私は36歳まで会社員として仕事をしていました。
コンピューター業界は、世界的なデータ処理量の増加によって、汎用機需要増大、オフコンからPCへの変遷という背景もあり、残業100時間超が当たり前の時代でした。
そのような時代であっても、海外勤務のために英語学校に通ってTOEICの勉強、膨大な資料を読むために速読術、通信講座でプログラム習得。
業務に必要なスキルは自ら勉強をして身に着けてきたからです。
そして、仕事を通じてよい仕事をして、上司からの信頼を得て、勝ち得た“仕事”という“報酬”は、自身の能力を磨き続け、陳腐化することなどありえなかったと確信しています。