前回まで、売上100億円未満の中小企業の生き残り戦略は、
「トヨタ」型ではなく「フェラーリ」型を目指すべきであること。
「グローバル、デジタル、オープン」ではなく、「ローカル、アナログ、ニッチ」戦略であるとお伝えしました。
これは、前者の「グローバル、デジタル、オープン」を全部否定している訳ではありません。
各中小企業の持つリソースに応じて取り得る戦略は異なります。
経営は2元論ではないので、戦略の濃淡、取り得るポジショニングなどが企業ごとに少しずつ異なって当然です。
「弱くて小さい企業」の基本的な戦い方を知った上で戦うべきということなのです。
ところで、電通の過労死事件に端を発した「過重労働」問題についてです。
最近やたらに国を挙げて「ワークライフバランス(WLB)」が大切、
「ホワイト企業になるには、社員のWLBを重視することが大切ですよ」などの論調が目につきます。
つまり、「社員の“生活と仕事”を会社がきちんと切り分けしてあげましょうね」と政府が言っているのです。
本当に「アホか!!!」の一言です。
「会社が率先して、ワークライフバランス(WLB)を大切にしましょう。労働者の方々も考えましょうね!」
と政府に言われて、「私たちを子ども扱いするな! 馬鹿にするな!」と感じられる感性を持った労働者がどのくらい日本にいるのか?
これがもし、米国、ヨーロッパであったら、大ブーイングが起きるはずです。
なぜなら、自分の人生を彩る、生活、仕事は自分で決める最重要事項だからです。
他人や会社、ましてや政府が、手を突っ込むべき領域ではないのです。
日本の労働者は、「あんたらはアホだから」又は「未成熟な子どもだから」と言われているのと同じなのです。
私は、自分で勝手に会社を設立し仕事を創り、勝手に従業員を雇い仕事を指示遂行させ、勝手に一日中仕事をしています。
誰にも頼まれたわけではありません。好きでやっているのです。
トイレでも、ご飯を食べている時も、風呂に入っている時も、仕事のことを考え、仕事の為のインプットをします。
電車に乗っている時間、街を歩く時間もいわゆるインサイト視点でしか過ごせないのです。
レストランに入ってもその店の商品力、価格、プロモーションマーケティング、などインサイト視点での話ばかりするので、カミさんにはいつも嫌がられます。
いい仕事のアイディアが浮かべば、メモを取り、チャットワークでメンターに送り共有化します。
つまり勝手に好きで、生活全部を仕事の状態にしているだけです。
実はここに、「電通の過重労働問題」の根源のひとつがあるのです。
「勝手に、好きで仕事をしている人」と、「仕事と生活は切り離したい。仕事は家庭に持ち込まない人」
この違いは、これからの時代、自分の人生を快適に過ごすために知っておくべきたったひとつのことなのです。
続きは次号。