先月は、「ローカル、アナログ、ニッチ」=「国内で、高度な職人的技術、独自商材」が
中小企業が取るべき戦略であることをお伝えしました。
トヨタのプリウスとフェラーリ488GTBを例にとるとわかりやすいと思います。
日本は高度経済成長期の約20年間で労働力人口の増加を背景に(約2,000万人増加:4,966万人→7,157万人)、GDPを大きく押しあげました。
しかしバブル後期の1995年をピークに労働力人口は減少し、30年後の2045年には労働力人口5,300万人、総人口は一億を割る予測となっています。
従来型の産業構造が変化することは明確です。
プリウスは累計400万台セールスを誇る、非常に優秀な車です。
しかし現在、国内登録車の40%以上がハイブリッド車、テスラ、BMWなど主要メーカーとの競合が激化。
血みどろの厳しい価格競争を行っています。
1997年初代プリウスの販売価格は215万円〜。現在240万円〜。
驚くべきことに、性能、装備共に20年で大幅に進化しているにもかかわらず、わずか25万円(カーナビ代程度)しか価格が変わっていないのです。
それの対極にあるのが、イタリア北部、人口17,000人の田舎町マラネッロにある中小企業、フェラーリ社(2850人)。
フェラーリのV型8気筒は、「308」から始まり、「360モデナ」、「F430」と系譜を受け継ぎ、現在の488GTBへと続いています。
1999年に販売された、「360モデナ」は、販売価格が、1,758万円〜でした。
その後継車「488GTB」はなんと販売価格3,070万円〜となっています。
もちろんプリウス同様、性能、装備の進化はありますが、販売価格は、+1,312万円、175%も価格を上げてきているのです。
もちろん業績好調を維持しています。
これは偶然でなく、中小企業としての戦略、戦い方を実践してきたから可能となったのです。
それではどうしたら、フェラーリのような中小企業となれるのかは、次号にて。