先月号で、中小企業は、「グローバル」を目指すと倒産する! とお伝えしました。
ある社長から「先生が言っていることは、時代に逆行しているよ。世界に出ていかなければ生き残れない時代が来ているんだよ」とお叱りをお受けました。
社長さんのおっしゃる通り! まったくその通りだと思います。ただし、それを目指すべき会社は、
@大企業(財務力、営業力、技術力が潤沢)
A 独自の技術、商品がある
B 市場のルールを変えるようなアイディア、イノベーション力がある、
といった特性をもった会社です。
もちろん目指してもいいのですが、トヨタやユニクロのような潤沢な資本、優秀な人材等のリソースを持った企業でさえ苦戦しています。
そしてほとんどの中小零細企業は、3つの特徴を持っていません。
さらには、「良いものを、より安く」といった血みどろのレッドオーシャンな市場に組み込まれています。
それを前提に戦略を考えてゆくと、図らずも、時代のトレンドキーワード(グローバル、デジタル、オンライン)と真逆の戦い方にたどり着くのです。
@国内
Aアナログ
Bニッチ市場(オンラインのようなオープン、コモディティ品市場でない
まず、日本はまだ、国内市場が大きく、輸出はGDPのわずか17.8%です。
国内市場が小さい韓国(GDPは日本の3割弱)などは約6割を輸出に頼っていることから見ると、まだ日本の国内市場には大きな魅力があるのです。
そして日本の言語文化によって、海外からの参入障壁が高いことも国内市場をターゲットにする理由です。
デジタル、オープンなものは、すぐにコモディティ化し、低価格での競争にさらされてしまいます。
ですから、できるだけ、アナログでAI化しにくいもの。
そして一番大切なのは、競合がない市場で勝負する事です。
例えば、あおば社労士事務所は、BtoC分野で「障害年金」に特化した業務を行っています。
新潟県内では、取扱件数トップです。
障害年金はまさに、国内だけの業務で、かつ全て各ケースが全て異なるため、オーダーでないと遂行できない、アナログ的業務です。
そしてかなり豊富な知識経験、資金力が無いと、普通の社労士では、参入できない「特殊な分野(ニッチ分野)」なのです。
弱い者には、弱いものの戦い方があります。
決して、大企業の真似をしていては生き残れないのです。
作成日:2017/10/01
「国内、アナログ、ニッチ」は時代遅れ?