「少子化対策1.1兆円。社会保険料500円アップ財源確保」
「所得制限を撤廃し、児童手当10,000円を高校生まで拡大」
「第三子以降は3歳から小学生を対象に月30,000円へ倍増」。
岸田首相は色々考えてくれているようです。しかし、“しょぼい”“やっつけ仕事”に映るのはなぜでしょうか。
これまで昭和60年に成立した男女雇用機会均等法を皮切りに、平成27年に成立した女性活躍推進法から現在までの38年間にわたる「少子化対策」は、順調に出生率を低下させ、人口減少を推進し続けてきました。
政府や、数百人の優秀な官僚が「月10,000円の児童手当が高校生まで延長」する程度のことで、本気で子どもが増えると思っているはずはありません。
頭の良い方々は、様々な研究結果やシュミレーションから日本の出生率アップ、人口増加など実現可能性があまりにも低いため諦めているのではないかと思ってしまいます。
私たちはそろそろ、この約40年間の政策によるマクロ経済の結果を見たうえで、少子化は止まらず、「人口減少すること」が事実であることを受け止めなければなりません。
「出生率アップ、人口増加」など(しばらくは?)無いのです。
これらの事実を前提にこれからの人生や会社運営をしていく必要があるということです。
想像してください。
「ハワイのワイキキビーチのコンドミニアムに住んで、毎日ポルシェのオープンカーで自分のオフィスに通勤している自分の姿」
ハワイのコンドミニアムから、オープンカーで出勤、朝の渋滞にまきこまれ、排気ガスでくらくらしながら遅刻。
オフィスで待っているのは、大量のEメール、チャット、電話、トラブル事案、資金繰り、財務、人事業務。
ハワイでも新潟でもたいして変わらない。幸福度もさほど変わらないはずです。
新潟にないのは、キラキラと輝くターコイズブルーの海と白い砂浜、大きな葉が優雅なそよ風に躍るパームツリー、トロピカルフルーツの香りを感じながらパラソルの下でバドワイザーを飲む心地よい時間。
たった、それだけ。
ないものにフォーカスしても何も変わらない、変わらないどころか状況を悪化させこじらせてしまいます。
「少子化、人口減」がまるで日本の終わりのように扱い、新興国のような「多産、人口増加」で高いGDP成長率がなければ明るい未来が来ないかのように考えるのは間違っています。
なぜなら、日本で暮らす私たちはパームツリーやポルシェ、バドワイザーがなくても、泣き叫んだりしないからです。
「ないものを数える」より、ここにすでに「すべてがあることに気がつく」方がはるかに大切なことです。
少し長い視点で見てみると、人類は、小さな人口増と減を繰り返しながら80億人になりました。
そして2080年の105億人をピークに人口は減り始めます。
世界人口がどのくらいまで減少していくのかはわかりません。
しかし現在行われている、大量生産、大量消費、大量廃棄といった生活は改める必要があるでしょう。
なぜならこの地球が養える適正人口は約30億人と算出されており、既に2.7倍の定員オーバーとなっているからです。
単純計算で1日3食を1日1食にして、3人で分け合うような生活水準に戻らなければ、自然環境を破壊し続けてしまいます。
「多産、人口増」を声高に叫ぶ前に、できることは沢山あります。
まずは自分自身の生活態度を顧みること、自然の摂理を考えてみることからではないでしょうか。