
A社長:「評価制度を見直してるんですよ。
●×銀行コンサルで作った制度を、少し手を入れて使おうと思ってまして。
齋藤先生、この人事評価制度、どう見ます?」
齋藤:「正直申し上げて……ほとんど役に立たない制度だと思います。
(心の声:私が新人社労士時代に使っていた雛型と同じものだ!)」
A社長:「(ちょっとムッとしながら)いやいや、ちゃんと直して使いますよ。
評価制度で社員を公平に評価して、処遇に反映させないと、
モチベーションが上がらないじゃないですか」
齋藤:「ところで、この評価結果は何に使うんですか?」
A社長:「給料・賞与に反映させて、社員のやる気につなげます。やっぱりお金って大事でしょ」
齋藤(心の声):「この給料水準で“やる気”ですか……?」
――ここで、20年以上評価制度を作り続けてきた私から、ひとつ真実を申し上げます。
「評価制度は、コミュニケーションの道具であって、
ピッと押せば、人のやる気や行動をコントロールできるリモコンではない」 ということです。
経験豊富な社労士先生も、
頭脳明晰な大企業コンサルも絶対に言わないので、私が代わりに言わせていただきます。
お金で従業員を動機付けしたり、管理したりすることはできません。
例えば私が、顧問先の社長様に、札束で頬を叩かれながら、
「おい齋藤君、2倍働いたら報酬を2倍にしてやるぞ」 と言われても、私には無理です。
しかし、その仕事が「前より2倍、3倍おもしろくなった」と感じたら――きっと3、4倍は働くでしょう。
実は、
「給料や賞与そのものは、人を長期的には動機づけない」という事実は、山ほど研究で示されています。
有名なものに、ロチェスター大学のエドワード・L・デシらによるメタ分析(128研究、1999年)があります。
ざっくりいうと、
「これをやったら○○をあげるよ」といった外発的動機づけ(特にお金やモノ)をぶら下げるほど、
内発的なやる気は下がる、という結果です。
「会社の期待どおりに仕事ができたら給料を増やす」と言えば言うほど、
仕事そのものへの興味・誇りは弱まり、“言われたことだけこなす人”が増えていくのです。
それでも中小企業経営者が評価制度に夢を見るのは、“謎の万能感”のせいです。
地元でそこそこ成功し、各種商工会や業界団体の理事などに名を連ねるようになる。
「自分の言うことが一目置かれ、だいたい通る」ような小さな世界で生きていると、
つい会社の中でも「オレの一言」と「評価制度+昇給・昇格」というおもちゃで、社員を思いどおりに動かせる気になってしまうのです。
そこに●×銀行コンサルが現れます。
中身はどこかで見た新人社労士が使う雛形でも、何十ページもあると、それっぽく見える。
数百万円かけて導入。うまく回らないと、「評価者訓練を」「管理者研修を追加しては」と、次のメニューが出てくる。
私は、そうやっておいしいお客様にされていった田舎の名士諸氏(会社)を何社も見てきました。
では、上場企業はどうか。こちらはもっと悲惨です。
日本的な終身雇用・年功序列の上に、“欧米風の成果主義”だけをコンサルが乗せてしまった結果、
「基準が曖昧」
「評価者によってバラバラ」
「処遇反映が弱い」
「事務コストが高い」
と不満と不信感を増やしただけで、数年ごとに制度改定という名の“撤退戦”を続けています。
あの優秀な陣容を誇る上場企業ですらこうした有様なのです。
地方の中小企業経営者は、
謎の万能感を捨て「従業員さんのおかげで、たまたま社長をやらせてもらっている」という現実を、
少しだけ謙虚に受け止める必要があります。
自分の能力や専門性は、世界標準で見れば“下の上”か良くて“ごく普通”です。
なぜなら上場企業のような高い知性、高い専門性を持った秀才達の中での激しい出世競争もなく、
偶然、今の地位にいる。
「創業したら何となく上手くいった」、「先代が築いてくれた七光りの延長線上にいる」かのどちらかです。
(違っていたらごめんなさい)。
私などは(父親の七光り+母親の七光り)=十四光りのおかげで何とか生活できております。(泣(´;ω;`)ウゥゥ)。
その事実に感謝しながら、
社員にとっての内発的動機づけの源泉をどう設計するか、
職務の設計、フィードバックの仕組み、キャリアパス、仕事の意味づけ、成長実感
――ここに頭を使うことこそが、
社長が本当にやるべき唯一の人事戦略だと、不肖 齋藤は考えています。
そうは言っても、
「世の中、金だ!金で買えないものは無い」と信じていらっしゃる社長さんもいらっしゃることでしょう。
そのような方限定で、「特別に顧問料2倍、担当者3倍プラン」をご用意いたしました。
なんと顧問料をたった2倍にするだけで、担当職員が通常1名から3名体制になる特別プランです。
ぜひご利用ください。(決して3倍仕事をする訳ではないので勘違いされませんようにお願いいたします。)お申し込みは11月末まで、お早めに。









