職員A:「先生、B社の社長さんに何度丁寧に説明しても、全然話が通じないんです」
私:「ワニだね。 “その社長はさんは”ワニ“になっているんだな」
職員A:「ワニ? 病気ですか?」
私:「病気? そうだね、私も割と良く”ワニ”になりますよ。
“サルとかオウム”になることもしばしばです。ヒト”でいることが一番長いけどね」
職員A:「……」
仕事をしていると「話の通じない人」によく出会います。
どんなに丁寧に、論理的に説明しても、話が通じない。
表情は硬く、聞く耳を持たない状態。
こちらが資料を出すと「それは例外だ」と言い、法律を出すと「うちは昔からこうだ」と言う。
もはや会話は成り立ちません。
こういう時は“ヒト”から“オウム”になるのが一番です。
相手が発した言葉を「オウム返し」に言ってみます。
人は自分が発した言葉を、他の人の口から聞くと、「その言葉の意味」に気づくことがあるといいます。
「それは“例外”なんですね」。 「“昔”からそうなんですね」。
という具合にオウム返しをするのです。
大抵の場合、私の“オウム言葉”を聞いた社長さんは、落ち着いてきます。
今までの頑固な表情は、少し感情を含み
「齋藤先生、聞いてください。◉×くんには本当に期待してきたのに。
恩を仇で返すように、突然退職するなんて。悔しい」 と語り出します。
私も同様の体験から「悔しいですね」と寄り添うのです。
私たちの脳には3つのレイヤーがあります。
中心部から 脳幹、辺緑系、新皮質・前頭新皮質。
進化の歴史がそっくりそのまま残されています。
中心部の一番古い「脳幹」は、
生存のための本能的な役割を持ち【戦闘・回避】など担当し「ワニ脳」と言われています。
中間層の「辺緑部」は、【感情的】役割で「サル脳」、
新しい「大脳皮質」は【論理的】な役割を担っており「ヒト脳」と称されています。
つまり「話が通じない人」とは、
頭が悪い人ではなく、自分の信条・物語を守るため、脳が必死に防衛戦をしている人なのです。
経営者としての「直観、信条」が崩れることを本能的に危機として捉え、
ワニ脳が発動しているのです。
この時は正しいことでも通じないのです。
社員は誰も言えないので、不肖 齋藤が代わりに申し上げます。
社長さん、
「うちの社員は、何度言っても、話が通じない」と怒る前に、
自分が「話を聞かない社長」になっていないか確認しましょう。
社長室の椅子は座り心地が良すぎる。
長く座ると、「耳より先に謙虚さ」が退化するのです。
そして「謎の経営者の直観、信条」だけを守るために「ワニになってしまう」のです。
つまり誰のいうことも聞かなくなってしまいます。
私たち「ヒト」はみなポンコツです。
危険を感じれば、ワニ脳が「戦闘、回避」、
ストレスを感じれば、サル脳が動き出して「文句、泣き言」。
それが私たちです。
自身のごく限られた「成功体験、信条」など鼻クソ程度のものです。
(これは比喩です、メタ認知的に俯瞰するとという意味です。怒らないでくださいな)
一方、従業員さんにも申し上げたい。
「良くわかりませんでした。」 「聞いてません」 「そういう意味だと思いませんでした」 は、
便利な三種の神器ではありません。
メモを取らず、確認せず、自分の都合よく解釈行動する人も、立派な“話の通じない人”です。
結局、
話が通じる組織とは、頭の良い人が集まる組織ではありません。
「視点を変えると、自分が間違っているかもしれない」 と
考えられる人が多くいる組織なのです。
ちなみに我が社で一番「ワニ」になるのは私です。
不条理な対応をする役所に対しすぐ戦闘モードに入ります。
私:「不条理だな。◉×社会保険事務所を、少し懲らしめてやりますか、Bさん」
職員Bさん:「本当に不条理ですよね。でも先生、私がうまく対応しておきますね」
という具合に、毎日うまく操縦していただいております。









